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【ライターインターン体験記】北海道八雲町で出会った世界中の素敵なファミリーたち

2024.12.31

八雲町_パノラマロード

日本で唯一の日本海と太平洋の2つの海を持つ町。

自然が豊かで農業や漁業が盛んな町。

・・・国道5号線から見える風景の一部として通り過ぎてしまう町。

通り過ぎるなんてもったいない。
そこには沢山の出会いと新しい体験がありました。

知ればみんなが一度は足を止めたくなる。
そんな八雲町で過ごす2泊3日の一人旅がスタートです。

<この記事を書いた人>
◎24歳・女
◎一人旅
◎八雲に滞在するのも一人旅も初めて
◎自然が好き
◎人見知り、英語力0

《1日目》

◾️13:00 雪上運動会@ペコレラ学舎

JR八雲駅から車で約20分。
雪上運動会に参加するため、山の上にある廃校をリノベーションして作られた「ペコレラ学舎」に到着。

「ペコ」はアイヌ語で牛、「レラ」は風を表す言葉からきていて、酪農地帯にあるこの場所は夏になると牛の香りを風が運んで来るのだそう。

そんな学び舎も二月は真っ白な雪景色。
色とりどりのスノーウェアと子供たちの真っ赤なほっぺがよく映えます。

八雲町の子供たちと滞在中のノマドワーカーの子供たち、そして大人たちも参加する雪上の紅白合戦は熱戦!

英語でのコミュニケーションに不安があったんですが、そこでは言語や年齢の違いなんて関係ありませんでした。(笑)

いざ英語が必要な場面もYakumo Village スタッフのサポートのおかげでクリア!

私のような英語が苦手な日本人はもちろん、日本語が分からない外国人旅行客も安心して滞在できる環境に感動。

八雲町_雪上運動会

◾️18:00 SENTO到着

雪上運動会を終え、滞在先の「SENTO」へ。

古民家を改装したゲストハウスと銭湯を改装して作られたカフェレストランが併設されている施設です。

町の中央部分に位置しているため、飲食店やコンビニが近くにあり、滞在中も不便なく過ごすことができました!

本日は近くの飲食店でご飯を済ませ、翌日に備えて早めに就寝。

《2日目》

◾️10:00 八雲さむいべや祭り@道立公園噴火湾パノラマパーク

2日目はシャトルバスで『八雲さむいべや祭り』へ!

「雪に親しむ」をテーマに雪が多い八雲ならではのアクティビティ、雪上バナナボートやチューブそりなどを楽しむことができます。

この日一緒に行動してくれたのは八雲に度々滞在しているというあんなさん&ゆっぴ親子。


あんなさんは旅をしながら、100%植物性の材料を使ったビーガンおやつを作る「旅するパティシエ」。

ビーガンおやつを作り始めたのは、息子・ゆっぴのアトピー体質改善がきっかけだったそう。

日本中を旅してきた二人の関係はいつだって対等で、お互いや周りを助けるのが当たり前。

「人を助けるのが好きだから。」

そう言いながら、ゲストハウスの靴を並べ直したり、周囲で困っている人にいち早く気づいて行動するゆっぴ。これで小学2年生。大人すぎます。

そんなゆっぴに対して毎回かかさず感謝の言葉をかけるあんなさん。素敵な親子です。

八雲_エルフィン

そんな2人とソリ滑りを楽しんだあと、元山牧場直営のカフェ『エルフィン』へ。

入店してサッカーゲームを見つけると本気モードでプレー!
負けても負けても笑顔で挑み続けるゆっぴとしっかり受け止めるあんなさん。

友達であり、ライバルであり、親子。
旅の行く末が気になる二人との時間でした。

◾️13:00 木彫り熊体験@熊友工房

その歴史は2024年3月で100周年を迎えると知り、木彫り熊体験ができる熊友工房へ。

穏やかに出迎えてくれたのは体験講師をしてくださる小熊秀雄さん。

木彫り熊発祥の地とされる八雲町では、至る所で多様な木彫り熊に出会うことができますが、木彫り熊体験をできるのは小熊さんの工房ただひとつ。全国から体験者が訪れるそうです。

早速私も作業を開始!

不器用さんでも大丈夫!
工程が進むたびに小熊さんが少しずつ手直しをしてくれます。

時には1度に10人以上に教えることもある小熊さん。
「一個一個手直ししていたら大変なんじゃないですか」と聞くと

「この手直しが体験の醍醐味。個性を残しつつどう手直ししてあげたら、”すごい!”と言ってもらえるかなと考えるのが楽しい。」とニコニコ笑顔で答えてくれました。

開始から3時間ほど作業を進めていくと、唯一無二の木彫り熊が完成!

八雲_木彫り体験

タレ目につり目。おちょぼ口ににっこり笑顔。
少しの違いで、全然違った雰囲気の熊になりました。

私が作ったのは一番右です。
飼っている犬に表情を似せてみました。(笑)
現在は自宅の作業スペースに飾るほどお気に入りに!

夜は道南杉で作られたサウナ小屋へ。

この通称ペコレラサウナは道南の大工さんや木工職人、そして全国から集まった「ペコラー」と呼ばれるボランティアメンバーで昨年建てた小屋だそう。

程よく湿気を含む柔らかい杉。
エゾマツのアロマの香り。
ロウリュで少しずつ上がる温度と湿度がとても心地よかったです。

3セット目あたりで話題はそれぞれの八雲にきた理由に。

連れてきてくれたスタッフさんや滞在メンバー。
理由はそれぞれ違えど、みんながこの八雲に魅入られて、ここで一緒にサウナに入っている。八雲が繋いでくれた縁に感謝する夜になりました。

八雲_ペコレラサウナ

《三日目》

◾️10:00 スノーシュー体験

最終日はノマドファミリーとスノーシュー体験へ。
西洋かんじきとも呼ばれるスノーシュー。
ふかふかな雪の上でも沈むことなく、歩き進めることができます。

八雲_スノーシュー体験

広い雪原を30分ほど歩くと道南杉のエリアへ到着し、一旦休憩。
杉の木の間から漏れる太陽の光が暖かく降り注ぎます。

「『木漏れ日』という言葉は日本にしかない。日本人独特の感性で生み出された言葉なんです。」

ガイドさんの説明を受けて、英語ならどう表せるだろう。木漏れ日ってどんなものを指すのかという話をしながらゆったりティータイムをしました。

八雲_スノーシュー_木漏れ日

また歩き始めると”ケンさん”がノマドについて話をしてくれました。
ケンさんは小さい頃日本に住んでいた経験があり、日本語がとても上手で滞在中に何度も助けてもらったファミリーです。

コロナ禍から広義的に使われるようになったノマド。しかしながらまだまだ家族みんなで移動を行っている人々は少ないのが現状です。

「この旅はバケーションじゃないんだよ。これが僕たちの働き方で生き方なんだ。」

お金を払って様々なことを体験する旅行とは違い、お金に変えられない経験や学びを得ることを重要視しているケンさんファミリー。
八雲町でも観光施設ではなく、障がい者雇用を行う「八雲シンファニー」の存在が日本独自の文化と感銘を受け、他のファミリーにも声をかけて足を運んだのだとか。

家族との時間を大切にしながら、その土地での学びを得る。
ノマドの1つの生き方が見えた気がしました。

八雲_ノマドファミリー

◾️12:00 ランチ@SLOW CAFE

最後は町中にあるカフェ「SLOW CAFE」へ。

今回体験した八雲の体験プログラムプロデュースを行っているYakumo Villageのお二人に今後の活動について聞いてみました。

「子供達の小さなきっかけでいたいかな。」

寺子屋で八雲町の子供達と毎日触れ合い、『SENTO』運営を担当している純華さん。
八雲へ来たきっかけも教育に挑戦するためだったそう。
自分だけでは気づくことのできなかった世界に気づくきっかけになりたいといいます。
実際に純華さんと話していると、自分でも気づいていなかった自分の感情に気づいたり、言語化してもらうことがたくさんありました。私も毎日相談しに来たい!

そしてYakumo Village代表の赤井さんは
「今後はチャレンジする人の環境を整える側になりたい。」とのこと。

八雲_赤井

八雲では地域おこしの仕掛け人、時には道南地域の課題解決のため様々な挑戦をしてきた赤井さん。これからはイノベーションを起こせる次世代のプレイヤーをどんどん増やしていきたいそう。実際、滞在中は私や八雲にやってくる若い層とじっくり話をして、沢山のアドバイスをくれました。

次世代の八雲町や北海道を見据え、活動を続けるYakumo Villageと自然豊かな八雲町。
今の生活に息が詰まったら、ぜひ訪れて欲しい町です。



2泊3日。正直短すぎました。(笑)

でも沢山の出会いがありました。

八雲で暮らす人々、働く人々、訪れる人々。

八雲町を構成する人々の中心にあるYakumo Village。

どんどん新しいことに挑戦していく八雲町が、次来た時にはどんなふうに変わっているのか。春や夏はどんな体験や出会いが待っているのか。

知ると、何度でも足を止めたくなるそんな町でした。

また来ます!

パノラマロード_八雲

<ライター:田村優奈>

写真の説明はありません。

北海道函館市出身。
札幌で大学・社会人時代を過ごし、半年前に地元函館へUターン。

北海道のためにできることを模索中。
大人のギャップイヤー真っ只中の24歳。(2025年現在は函館市で就職)

八雲町に初めて滞在して思ったことは3つ。
①めっちゃ楽しい!
②でも英語をもっと勉強しとけばよかった!
③あとスノーウェア買えばよかった!

もっと楽しめたはずの
道南で一番、雪と世界に近い町。

次回リベンジ編。お見逃しなく。