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ホタテの養殖作業「耳吊り」とは- 北海道の漁師町、八雲町のメイン産業に迫る

2020.5.20

ホタテといえば水揚げ日本1の北海道。 そんな北海道でも八雲町は、ホタテの養殖が町のメイン産業になるほど毎年たくさんの美味しい新鮮なホタテを水揚げしています。 そんな八雲町で水揚げされるホタテは「耳吊り(みみずり)」と呼ばれる、最新の養殖技術で漁師さんが手間暇をかけて育てられています。 今回は、意外と知られていないホタテの養殖業務の一つ、「耳吊り」について詳しく紹介していきます。

ホタテの耳吊りとは?

ホタテの耳吊りとは、簡単に説明するとホタテの養殖作業のことです。ただし、養殖と言っても、水槽やいけすでホタテを育てているわけではなく、自然の海で育てています。なので、世間一般的に想像する魚の養殖とは少しイメージが違います。

出展:https://oceana.ne.jp/infomation/23469
こんな感じで海の中に上から吊るしてます。浮き玉とロープで固定されているのでこうやって綺麗にカーテン見たく吊るされています。

ようく見ると立派なホタテがいくつも吊るされているのがわかります。 耳吊りは、ホタテの養殖業務の中でも一番重要と言っても過言ではない作業です。名前の通りホタテの耳を吊るす作業です。

もっと詳しく言うと、ホタテの耳の部分に穴を開けて糸を通し、ロープに結び、海に吊るす作業になります。 このホタテの養殖技術は比較的新しい技術で、北海道の道南地区を中心に、道東、青森などの東北地区、そして関東など、今では、日本全国の様々な所で活用されています。

このような養殖技術で育てられたホタテは、天然のホタテに比べて貝殻は汚くなりますが、味に遜色はありません。むしろ、天然物に比べると、砂が入っていないので、安全に美味しく食べられます。天然物は地面で生息しているため、砂を食べたりして体内に砂を含んでいるものが多いのです。

ホタテの耳吊り作業内容

北海道の八雲町で行われているホタテの耳吊り作業は、大きく2つに分けることができます。 1つ目は、ホタテの耳に穴を開ける作業です。

この作業では、ホタテの稚貝(赤ちゃん)の貝殻の耳の部分に、機械を使って穴を開ける作業になります。 主に男性がやる作業ですが、機械のレールにホタテを正しくセッティングするだけの単純作業なので、慣れてしまえば簡単にできます。

2つ目の作業は、穴の空いたホタテの耳に糸を通して、ロープに結びつける作業になります。

これは女性や子供が活躍している作業なのですが、慣れると慣れるだけ結ぶのが早くなるので、その分早い人は昇給などのボーナスもあります。

とある漁師さんの作業場の風景です。ここではお母さん達が主人公です。 お母さんがホタテの耳に糸を通して結んでいますね。

この2つの業務の為に各漁師さんは、町内はもちろん、町外からもたくさん期間限定バイトを雇っています。主な季節労働員は、町内のママさんや学生、そして町外の季節労働者などです。町内外の他に仕事をしている人も、副業として土日だけの参加をしている人もたくさんいます。

ホタテの耳吊りシーズン

北海道の八雲町では、ホタテの耳吊りのシーズンは主に毎年3月中旬〜5月末までとなります。その年の海の状況、天候、ホタテの状態によって期間は左右されます。漁師さんによっても早く始める所や遅く始める所も多々あります。 この期間に、前年に吊るしたホタテを一緒に出荷しますので、漁師さんたちの懐が潤うのもこの時期です。なので、八雲町では、この期間が漁師さんにとっては稼ぎどきでもあり、来年しっかり稼ぐための準備も同時に行う猛烈に忙しい時期でもあるのです。
人によってはこの2,3ヶ月間だけで、10キロ以上も痩せる漁師さんもいるそうです。 また、期間限定アルバイトの人たちは最初から最後までいる人もいれば、最初や最後だけいる人たちもいます。 学生アルバイトの方は主に冬休み期間に集中的に働いていますので3月のみのバイトが多いです。ママさんや季節労働者は基本的にはスタートから終わりまで通して働いている人が多いです。

ホタテの耳吊りの課題

八雲町のメイン産業でもある耳吊りは、八雲町を経済的に支えていますが、その分課題もあります。 毎年漁師さんが悩んでいる大きな課題は人材不足です。毎年ホタテの耳吊りシーズンの3月中旬から5月末の間、漁師さんは知り合いや友達など様々な人を期間限定で雇用します。もちろん、求人も出して一般公募もしています。 ですが、中々漁師さんが求めるような人材や人数が集まりません。八雲町の中で働ける人はかなり総動員しているのですが、それだけだと中々人数が足りていないのが現実です。

人口がある程度いた昔に比べ少子高齢化が進んでいる地方では町内だけの人材ではとても足りなくなってきているのです。対策としては町外の人です。ホタテの耳吊りが忙しいシーズン限定で働いてくれる人をいかに町外から連れてくるかが鍵となります。ただし、これをするには宿舎や送迎などが今の八雲町ではそこまで整っていないのが大きな問題となります。

もう一つの課題は、ホタテの状態の悪化です。最近特にホタテの状態が悪くなっていて、耳吊りで育てても出荷する前に多くのホタテが死んでしまうへい死と行った状態が多くなっています。ホタテの水揚げが下がっていると、もちろん価格も上がるので、誰にも得にならない状態が続いています。 海の状態や天候の変化が大きく関わってきている問題なので、中々変えられることではないのが難しい所です。それでも漁師さんは昔からやっているのでそう簡単にやめるわけには行きません。 今後ホタテの状態が自然に改善するか、改善できるような技術が開発されることを願うばかりです。

まとめ

以上、北海道八雲町のメイン産業である、ホタテの養殖業務の一つ、耳吊りについての説明でした。 作業内容から課題まで大雑把ではありますが、少しでも皆さんが食べているホタテがどうやって育てられているかわかってもらえたら嬉しいです。 そして、少しでもホタテの養殖に興味を持った人が八雲町に短期間だけでも耳吊りのバイトや体験などで来てくれると幸いです。